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カテゴリ: 毎日書評

「村上春樹のおすすめ作品は?」

と、よく聞かれますが…その度に答えに困ってしまいます。
僕は村上春樹の小説が好きです。たぶんすべての小説を読んでいるし、作品によっては数十回読んだのもあります。

だけど、いざ「おすすめは?」と聞かれると難しい。
なぜなら村上作品は面白いと思うのだけど、決して人を幸せにする物語だとは思っていないからです。

内向的に世の中との感情の関わりを断つような生き方をする主人公に、共感して、そのとき救われたとしても…、それが幸せな生き方だと僕には確信が持てるわけもありません。

それで結局、僕がいつも答えるのが「蜂蜜パイ」という短篇。

「神の子どもたちはみな踊る」6篇の短編集のひとつなのですが、これは村上春樹のすべての小説のなかで、唯一ひとにお勧めできる作品です!なぜなら、ここにはきちんと辛くも幸せな人生が描かれているから。

この小説にいちばん好きなセリフがあります。
「世界これからどんどんよくなっていくんだ」というセリフ。
(すみません、美容に言葉尻が違うかも)

村上春樹らしからぬ、この言葉があらわしているのですが、とても希望をくれる、あたたかく、やさしい物語です。春樹嫌いの人でも、ぜひ一度読んでみてほしい一篇です。

つかれたときはショートショートを。

3ページから10ページくらいの短編ばかりを1000編以上も書き続けた星新一。僕の愛読書の一つでした。どこの地域か、いつの時代か、よくわからないけれどちょっと近未来にありそうな話。

一篇一篇にウィットが効いていて、古今東西変わらないであろう人間くささが、短い文章の中にビビッドに描き出される。

いろいろなストレスに囚われて、リアリズムに陥りがちな仕事生活。つかれたときは、コーヒーでも飲みながら、ちょっと気楽な短篇を読んでみるのもいいかもしれません。

と、普通ならここで星新一を紹介する流れですが(笑)、最近見つけた短篇集を紹介。余命1年と宣告された妻のために、毎日一話ずつ、短編を書き続けた作家の夫。そうしてできあがった、短編集です。
(全部で1778話におよんだそうですよ!ということは。。。愛のなせる業ですね!)

ちょっと休みたいときにオススメの、ほっこり系ショートショートです。

どんな世界にも一流がいる。

僕は野球を知りません。だから、プロ野球で働く人々といえば、「バッター」と「ピッチャー」と「キャッチャー」くらい。あとは何人か裏方がいるんだろうな、くらいしか知りませんでした。練習のときや試合前にバッターに調子良く打たせる”だけ”の役目を負った「打撃投手」という存在があるとは、思ってもみませんでした。

世の中には一見光を浴びない仕事があります。でも、誰でもできるわけではなく、やはりその仕事にはその仕事に向いた”一流”がいるのです。きっと、こうした世界の一流を見抜き重用しなければ、強い組織は作れないでしょう。

現役のピッチャーとしては十分に成績を残せない人が進む道、それが打撃投手。しかし、求められる能力は試合のそれとは大きく異なり、打たれないように投げるのではなく、打てるように投げる能力。それゆえ、そこにはまた別の一流の道があるのです。

イップスにかかり打撃投手でも成績を残せない人、打撃投手を天職だと感じる人、コンプレックスや困難を乗り越え一流の打撃投手となる人。

野球界という一見ビジネスと関係ない本ですが、悩める職業人にこそ読んで欲しい一冊です。

どれだけの「いい言葉」と出会えるか。

人との出会いもそうだけど、
言葉と出会うことで、
人生が大きく変わることがある。

ことばはきっと、人類が発明したもっとも人間らしく、すばらしいものです。愛情を表現したり、自分を勇気づけてくれたり生きるための指針になったり、希望になったりする。

よく言われることだけど、「言葉は心の栄養」です。

この本は、世界中で語り継がれている言葉がまとめられた一冊。20年間、世界を旅して集めたそうです。いい言葉に紐づいた、エッセー集。とてもいい言葉が並んでいます。

例えば
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太陽に顔を向けなさい。
そうすれば、
影はあなたの後ろにできるから。
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「光に目をむけつづけていれば、暗いこと、嫌なことに目をむけることもない」という意味です。「前を向く事の意味」を、もう一度教えてくれます。

ただ残念なのが、もっといい翻訳があるのではと感じることがるのと、解釈がたまにズレているところ…

でも純粋に、世界で生き続ける言葉は、なんだか胸にしみ込んできます。最後に、本の中から抜粋です。

「善い言葉は、明日への橋になる。」

世界中の言葉を自分のものにできるなんて、
しあわせだなぁと思うのです。

真実は人を怒らせます。

世の中には、道徳や倫理にそぐわない真実というものが沢山あります。冷静な目で世の中を見つめ、自分の頭で考えれば、すべてが「美しい理屈」で回っているわけではないことがわかるはずです。なのに、そういうことを率直に表現すると「失言大臣だ」とか「イマドキの若い奴はなっとらん」とか、とかく攻撃してくる人がいるのも事実です。

そういう攻撃に対抗する唯一の手段。それが、定量的なデータに基づいた分析なのです。ニューヨークの犯罪が減った理由はジュリアーニ市長率いる警察が「割れ窓理論」を実施したからじゃない、中絶を許可する法律によって貧民層の出生率が減ったからだ。なんと嘆かわしい結論でしょう。

でも、そういう嘆かわしい現実をしかと受け止めた上でしか、本当に未来につながる政策を打つことができないのだと思います。怒っている場合じゃありません。

いつも耳あたりのよいことを言っている政治家と、つらい現実を正直に見つめる政治家と、どちらを支持しますか?

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