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「***さんって無神経ですね」

そう言われて嬉しい人はどれだけいるでしょうか。かつての私は「人づきあいとはこうあるべきだ」とか「これをやらなければならない」と言われることに敏感で、冒頭の言葉を投げかけられた時に、笑い返すことなんてできなかったでしょう。

でも、最近は「本当にやりたいことをやりたいようにやっている人」のほうが信頼も信用もできることを悟ってからは、無神経と言われても、鈍感と言われても、自分の直感に従おうと決めています。

とはいいながらも、本当に自分の生き方が正しいんだろうかと不安になるのも事実。ふと、数年前にベストセラーになった「鈍感力」が文庫になっているのを発見して手にとってしまいました。

成功したいなら、長生きしたいなら、敏感より鈍感のほうがいい。

「敏感に察する能力が必要」と言われている世の中にうんざりしている人には、ぜひ手にとって欲しい一冊です。

あ。でも、敏感か鈍感かというのは、気質みたいなものだから、敏感な人は読まないほうがいいかも。「あー、なんで自分って鈍感じゃないんだろう」って、凹んじゃうので。ちなみに、私は凹みました(笑)

「ニッポン人には、日本が足らない。」

日本というのは、なんてスバラシイ国なんだろう、と。僕は外国に行くたびに思うのです。なぜなら外国の人たちがみんな口を揃えてそういうからです。

京都があり、名古屋があり、秋葉原があり、九州があり、沖縄があり、世界に誇れる企業があり、お寿司があり、田園があり、豊かな水があり、そして心温かい人々がいて……きっとキリがないほど、日本はいい国。

東京圏は、今でも世界でも、最もGDPの高い地域。それは2025年までは一位であり続けると言われています。ミシュランの星の数は、世界で一番多く、実感としても日本の料理はとてもおいしい。外国から来た友人も、間違いなくそう言って帰国していく。日本はたぶん、日本人が思っている以上に、素晴らしい国だと思うのです。

でも日本人には、そういう自覚をもった人が少ない気がします。
もちろん盲目的に「じぶんたちはスバラシイ!」とおもうのはよくないことです。もちろん日本にダメなところはたくさんあります。それを見つめ、考えつつ、もう少し、いいところに目を向けてもいいと思うのです。

この本は、そんな希望をすこしくれます。ちょっと偏って自国のいい面を主張しすぎているところはあるので、そこはわたしたち読者が得るべき思想を取捨選択しましょう。だけど、まずは日本のいいとこ情報をINPUTするには、とてもいい本だと思うのです。

"本を読む本"

きちんと書けば「本を読むための本」という本です。
このページを見てくれているみなさんは、きっと本が好きで、たくさんの本を読む方だと思います。

でも「本を読む」ことについてきちんと体系だって教えてくれる「教科書」ってほとんどない。そして「本の読み方」を、学校で教えてくれる先生も、なかなかいない。この本は、本を読むことについて分析し、僕らの頭を整理してくれます。

でも、この本はの何よりもいいところは「またいい本を読みたい」と思わせてくれるところ。本を読むことの素晴らしさを思い出させてくれるところだと、僕は思います。

以下本文より。
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もし無人島に流されることになって、もっていきたい本を十冊選べと言われたら、あなたは何の本を持っていきますか?この設定は非現実的なものだろうか?我々はみな、多かれ少なかれ、孤独に流された人間である。(中略)

ところで、人間の精神には、一つ不思議なはたらきがある。
それはどこまでも成長しつづけることである。肉体と精神のきわだった違いである。
精神は、ある年齢を境に成長が止まるということはない。
積極的な読書は、それ自体価値のあるものであり、それが仕事のうえの成功につながることもあるだろう。しかしそれだけのものではない。すぐれた読書とは、われわれを励まし、どこまでも成長させてくれるものなのである。
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本が好きな人は、ぜひみんなに読んで欲しい。何度も読み返してしまう、すてきな本を読むための本でした。

道徳じゃなくて心に従う。

キャッチセールス、カルト宗教、マルチ商法、詐欺。なぜ、人はだまされて/操られてしまうのでしょうか?

それは「僕らが馬鹿だからじゃなくて、いい人だから!」というのが答えです。周りの人と良好な関係を作るために、いい人なら自然にやっていることがらがあります。

・何かしてもらったらお返しをする。
・一度言ったことはちゃんと守る。
・周りの人と協調して行動する。
・自分を好きになってくれた人を信頼する。
・偉い人の言葉を聞く。
などなど

これら「いい人」なら誰もが持っている道徳こそが、僕らが操られてしまう最大の原因なのです。だから、道徳じゃなくて心に従う。他人は二の次にして自分を最優先にする。それが結局自分を守り、周りを守ることにつながるのだと思います。

「影響力の武器」は、こうした説得の心理をわかりやすく詳説した不朽の名著です。

「朝起きたら疲れていた。何のための睡眠だったのだろう。」

僕の好きな広告コピーです。
いつも僕の頭の中からはなれません笑

そして今日も…
月曜日であるにも関わらず、なんなんだこの疲れは!というほどに、疲労困憊です。そして本屋にフラッといったら、この本があったので先ほど思わず購入してしまいました。

まだパラパラとしか読んでいませんが…、医学博士が書いているので、論理的に「疲れたときの対処法」が書いてある面白い本な気がしています。

現代人のいまの疲れは、人類が誕生してからはじめてのものらしいです。コミュニケーション疲れ、オフィスでのストレス疲れ。
そんな人類史上新たな疲れへの対処法がのっています。医学が進歩するように、疲れの取り方も進歩しています。

さて、今日はほんとうに疲れたので、今から読みます笑
疲れが貯まっているとおもったら、ぜひ読んでみてください。
みなさま、月曜日、ほんとうにお疲れさまでした!

「村上春樹のおすすめ作品は?」

と、よく聞かれますが…その度に答えに困ってしまいます。
僕は村上春樹の小説が好きです。たぶんすべての小説を読んでいるし、作品によっては数十回読んだのもあります。

だけど、いざ「おすすめは?」と聞かれると難しい。
なぜなら村上作品は面白いと思うのだけど、決して人を幸せにする物語だとは思っていないからです。

内向的に世の中との感情の関わりを断つような生き方をする主人公に、共感して、そのとき救われたとしても…、それが幸せな生き方だと僕には確信が持てるわけもありません。

それで結局、僕がいつも答えるのが「蜂蜜パイ」という短篇。

「神の子どもたちはみな踊る」6篇の短編集のひとつなのですが、これは村上春樹のすべての小説のなかで、唯一ひとにお勧めできる作品です!なぜなら、ここにはきちんと辛くも幸せな人生が描かれているから。

この小説にいちばん好きなセリフがあります。
「世界これからどんどんよくなっていくんだ」というセリフ。
(すみません、美容に言葉尻が違うかも)

村上春樹らしからぬ、この言葉があらわしているのですが、とても希望をくれる、あたたかく、やさしい物語です。春樹嫌いの人でも、ぜひ一度読んでみてほしい一篇です。

古今東西、かなり本を読んできましたが、現代社会で最も優れた、あるいは現代にフィットした探求の名著であることは間違いなと思います。

何故か?クリシュナムルテイは全くと言っていいほど、解答を提示していません。安易にこれが真理、あれが正義とこの複雑な社会で一義的に解答がでるのは、むしろ非現実的である。どうしても彼の扱いは神秘家や宗教家、あるいはスピリチュアルにカテゴライズされてしまいますが、彼はそれらを否定する上に、宗教・真理・グル・あるいは科学までも否定するゆえに、どこにもカテゴライズされない聖人です。

しかし、書物を販売する以上、どうしてもどこかのカテゴラリーに入れなくてはならないで、スピリチュアル系に属していることが多いですが、まったくスピリチュアルではありません。ぜひ一読を。



(kanekoさんの書評)

―音楽と夕暮れをめぐる五つの物語―
目次: 老歌手、降っても晴れても、モールバンヒルズ、夜想曲、チェリスト

   たとえば村上春樹のように短編と長編でちがう顔を見せる作家がいるけれど、この短編集を読むと、カズオ・イシグロもそうだとわかる。長編とはまたちがったユーモアを交えて音楽を愛する人たちを描いていて、ますます好きになった。

   どれも映像的な作品という印象がある。舞台の美しさという意味でもそうだし、音楽があって、登場人物たちがいきいきと動き回り、ストーリーが巧妙に展開していく。

「老歌手」ではベニスの街をさまよっている気分を味わえるし、「降っても晴れても」では五感をフルに使いつつ、人間の妙な奥深さを体験できる。「モールバンヒルズ」では、イギリスの片田舎の風景を楽しみ、「夜想曲」ではセレブの生活を垣間見て、「チェリスト」ではイタリアの広場の雰囲気を味う。これに必ず音楽がついてくる。

   とはいえ描かれているのは、音楽を愛してやまない人たちが抱える苦い思いの数々だ。自分だけではどうにもならない世界で、人々が直面するドラマを面白おかしく描いている。でも、どこか切ないものが根底に流れている。そのトーンがまさにカズオ・イシグロの世界だと思う。登場する人たちは実にさまざまで、それこそめちゃくちゃな人もいるけれど、どういうわけだか、この人たちを全部合わせたのが自分なのかなという気になるのが不思議だ。

   家族、夫婦という関係の危うさを織り交ぜているので、より人間くさいものが味わえるのかもしれない。



(Reeko3さんの書評)

著者のリズ・マレーは1980年、ニューヨークのブロンクスに生まれ、薬物中毒の両親のもとで育った。自分の人生は自分で変えられる、人生に意味を与えるのは自分自身だというメッセージが込められたノンフィクション。物心がついてから紆余曲折があり、ホームレスを経てハーバードに入るまでの日々を克明に語っている。これが小説だったら、非現実的すぎるし、嘘っぽいと言われるのではないかと思う。ほんの20年ほどの間に、1人の人間がこれほどのまでの体験をできるのだろうかと思うほど、過酷で、驚くことばかりだった。

 両親がドラッグなしでは生きていけないような人たちだったので、幼い頃から悲惨な生活を強いられる。そこに悲しみはあるのだけれど、憎しみはないように見えた。どんな厳しい状況にあっても著者が命を落とさず、並々ならぬ意志を持って大学までたどり着けたのは、常に助けてくれる人が現れたからだと思う。

 していたことは決して褒められるようなことではないとしても、生きるという意図を持って日々を凌いでいるうちに、思いも寄らぬ出会いで救われることが何度かあった。でも、これじゃいけない、自分は変わるんだと心を決めてからは、「運」がつくようになったと思う。行動しているうちに自然と知恵がつき、勝手に人が情報をくれて、さらに前に進めるようになっていく。それにしても、強靱な精神力と体力がなければできないことばかりを乗り越えられたのは、幼い頃から積み重ねてきた体験があったからこそ、という部分もあるような気がした。

 自分の意志だけでは乗り越えられそうにないとき、著者は自分のことを陸上競技のハードル走の選手だと思うようにしていた。私は今トラックを走っている最中で、次々とハードルを越えているところなのだ、トラックにいるんだからハードルがあって当然でしょ? さあまた1つ越えよう。こう考えると、楽に越えられたという。

 そんな彼女にある教師が言った言葉が印象的だった。
 「つまりね、リズ、君ならどこへ行こうと、そこでベストを尽くすはずだ、ってことだよ。今の君があるのも、ずっとそうしてきたからだ・・・・・・だから、君ならどこへ行っても大丈夫、私にはわかる・・・・・少し力を抜いて、自分への思いやりを持つことだ」

 昨年この原書を読む機会があったので、今回で二度目になる。あらためて気づいたこともあったし、かなり荒っぽい言葉の訳し具合とか、いろいろな要素を楽しめた。



(Reeko3さんの書評)

連作短編がほんとにいい味を出してくれています。

タイトルにもあるシズカの最後はあまりにも切ない。
しかし、その切なさは最後の最後で一気にくる。
それまでは様々な視点からのミステリー。

一気に読み終えたくなる作品でした。




(くーるりさんの書評) 

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